事務局用A1 募集要項の作成
1. コースの目的 : This course provides academic understanding needed to….
学生が、大学の修士コースに願書を出すかどうかを決める基準は、もちろん学費の高さ安さ、奨学金の有無もあるでしょうが、やはり、当該コースの内容が自分のニーズに合っているか、また卒業後にどのような展望が開けるかがポイントになるでしょう。留学生の確保をめぐって競争が激しいアメリカの大学の募集要項を調べてみると、出だしのコース目的を紹介する部分では、魅力的な英語表現を使って記載しています。
まず、文章構成としては、「このコース(プログラム)は、~をするために、~を提供します。」"This course (program) provides (offers).........to........."という構成になっているものが多くみられます。いくつかの事例を挙げてみます。
This course provides academic understanding needed to solve world's greatest environmental challenges.
環境学科の例。課題解決型の学問を重視しています。
This course provides high-quality education in analytical methods and hand-on opportunity to manage various international situations to prepare future leaders in international affairs.
(このコースは、国際関係分野における将来のリーダーを育てるため、質の高い分析技能に関する教育及ぶ実習に基づく国際関係の状況管理の手法を学びます)と書くこともできます。
いずれの場合も、コースの内容と、卒業後の進路のイメージを示すことが重要です。
日本語の募集要項では大げさと思える内容でも、英語にすると案外生き生きとするものです。
基本的な考え方
修士コースなどの募集要項は、一般的に(1)コースの目的 (2)募集定員 (3)出願資格 (4)出願書類 (5)出願方法 (6)選考方法 (7)合格発表 (8)入学手続 (9)注意事項 (10)問い合わせ先 から構成されます。昨今は多くの大学が優秀な外国人留学生の獲得を目指していますが、英文募集要項の出来栄えは、学生の出願意欲に大きく左右します。日英の募集要項の違いとして、前者は、手続き事項を割と淡々と記載するのに対し、後者は(1)の部分、すなわち、コースの目的、実施手法、成果(卒業後のメリット)などコースの前提部分を強調して作成することが挙げられます。ここでは、このような学生を引き付ける英文表現について解説します。

山本愛一郎(やまもとあいいちろう)前JICE総務部特任部長
JICE職員向け英語研修の講師や各種英文校閲を担当。
東京外国語大学英米語科卒、米国コロンビア大学国際行政大学院修士
※本ページでは欧米的表現を使用しています。