JICE日本台湾技術協力事業
JICEでは2003年から2011年にかけて、台湾に向けてさまざまな技術協力を行なってきました。
♦2011年にJICEが実施した日台研修6件
Ⅰ | 8/7~13 | 日本無形文化財の継承制度及び伝統産業活性化のケーススタディ |
Ⅱ | 9/11~17 | 生物医学新規事業育成研究 |
Ⅲ | 10/2~8 | 小地区においての労働力統計編制技術及び製造業に関連する調査の実務、資料推計方法と発展 |
Ⅳ | 11/6~12 | 日本クラウドコンピューティング産業アプリケーション発展戦略研究 |
Ⅴ | 11/27~12/3 | 高齢化社会におけるバイオテクノロジー産業及びヘルスケア産業の発展方向の企画 |
Ⅵ | 12/11~17 | 日本における産業低炭素化への政策及び具体的な取組み |
これまでに実施したユニークな研修をいくつかご紹介します。
♦2011年8月実施「日本無形文化財の継承制度及び伝統産業活性化のケーススタディ」研修

鹿沼今宮神社祭の屋台行事の屋台彫刻を見学する研修生ご協力:鹿沼市教育委員会生涯学習課文化財係、鹿沼いまみや付け祭り保存会

研修修了式
♦2010年8月実施 「通信と放送の融合に係る日本の総合政策」研修

NHK「あさイチ」のスタジオを訪問する研修生
ご協力:日本放送協会国際企画部経営企画局デジタル推進担当
♦2010年10月実施 「繊維ファッションデザイン産業推進にかかる相互協力」研修
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東京ミッドタウンで開かれた一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構 新人デザイナーファッション大賞実行委員会主催の2010新人デザイナーファッション大賞最終審査会を視察する研修生
♦2010年11月実施 「電動自動車及び動力・エネルギー貯蔵システム」研修

世界最速370㎞の電気自動車「Elica」の創造主である慶應義塾大学環境情報学部 清水教授の研究室を訪問する研修生
台湾は政治、経済、産業等あらゆる分野において新しい技術や知識を取り入れ、それぞれの分野の発展と効率性を促進するため、最先端技術を有する諸外国へ研修生(行政官)を派遣しています。日本においても毎年約10の分野の研修が実施されており、JICEでは2003年以降、台北駐日経済文化代表処からの依頼により、その一部の研修について企画および運営を行なっています。これまでの実施研修数は2011年度を含め、延べ38コース、受入研修生139名におよびます。研修の分野や内容は毎回異なり且つ多岐に亘ります。
来日する研修生は台湾経済部や行政院の課長、係長クラスの実務担当者レベルが主流で、1研修につき3名~5名という少数精鋭の研修となっています。JICEの研修では、日本台湾双方の専門家同士の技術交流であるとの認識に立ち、研修生のカウンターパートである日本の関連省庁による講義や意見交換をはじめ、「産」「官」「学」すべての要素を盛り込み、カリキュラム全体のバランスと完成度を高めることで、研修生からも高い評価を得ています。
研修生の研修に対する姿勢は非常に熱心で意識が高く、日本側受入先関係者からも「研修生から鋭い質問を受けたり、活発な意見交換をしたりするなかで、自分の業務や事業のあり方について見直すと共に、長年従事してきた仕事に改めて自信と誇りを持つ良い機会を与えられました」という感想を得ることも少なくありません。
2011年3月には、本事業にかかる成果報告会(フォローアップ)が台湾において実施され、日台研修は、台湾の行政力向上において一定以上の成果をもたらしていることが確認されました。これまでの研修帰国報告書(中文)は以下台湾経済部HPに掲載公開されています。
http://www.moea.gov.tw/Mns/ietc/content/ContentLink.aspx?menu_id=1957
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台湾100年国慶節祝賀レセプションに参加する研修生と関係者及びJICEスタッフ
本事業の実施においては、2003年より9年間に亘り、数多くの日本の関連省庁や研究機関、団体、企業、大学等受入先の皆様より多大なるご協力とご支援を頂いて参りました。JICEは今後も、台湾から寄せられる日台技術協力・交流へのニーズに応えるべく、引き続き日台双方に有益となるスキームを検討し、本事業のさらなる発展と成果向上に向け、貢献していく所存です。 本事業を通して、引き続き各分野における日台間の交流・情報交換、ネットワーク構築の一端をJICEが担っていくことができれば幸いです。
研修事業部国際研修課 小林 ひかり 記