事業ニュース

世界で活躍する修了生たち〜日本/世界銀行共同大学院奨学金プログラム修了生
日本スタディーツアー

複合(地域) 留学生受入支援

世界銀行では、日本/世界銀行共同大学院奨学金プログラム(JJ/WBGSP)により日本以外の国で修士号を取得した卒業生を対象として日本スタディーツアーを開催しています。このプログラムは2008年より開始され、本年度で第5回目となります。日本の戦後復興、産学官連携の取り組み、環境政策等を学ぶと同時に、奨学生と世界銀行及び財務省をはじめとする関係各機関とのネットワーク構築などが主な目的です。

今回は当センターが世界銀行から受託し、JJ/WBGSP日本スタディーツアーを2012年11月11日から11月17日まで実施しました。2010年及び2011年に修士号を取得した修了生の中から、約10倍以上の倍率を制して、15名の優秀な若手政府省庁職員、公的機関職員等が来日しました。

国籍はブータン、ガーナ、ハイチ、ホンジュラス、インド、レソト、マレーシア、メキシコ、モンゴル、モロッコ、ナイジェリア、パプア・ニューギニア、ペルー、トルコ、ザンビアの15カ国です。


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【世界銀行 鈴木英明日本理事(前列中央)を囲んで】

初日に課題分析ワークショップを行い、各自の国での課題や仕事上での問題点を認識した上で、プログラムに臨みました。

 また、修了生は世界銀行東京事務所の谷口和繁駐日特別代表を訪問し、日本及び世界銀行が担う役割について理解を深めると同時に、世界銀行奨学金プログラムの修了生としての誇りと責務を改めて心に刻んでいる様子でした。


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【課題分析ワークショップ】 【世界銀行東京事務所谷口駐日特別代表(中央奥)の講義】

 また、本スタディーツアーでは世界銀行、財務省、各国駐日大使館等、関係機関とのネットワーク構築を目的とした交流を行いました。特に同世代の財務省若手職員や現役JJ/WBGSP奨学生との交流では、活発な意見交換が行われました。初日の歓迎レセプションでは各国の駐日大使館関係者や大学関係者とも面会し、新たな人脈を広げることができました。また、日本文化体験プログラムを通して、日本の経済発展や東日本大震災からの復興の土台に大きな影響を与えている日本文化や日本人の精神性を学びました。


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【財務省若手職員と活発な意見交換】 【現役奨学生とのディスカッション】

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【各界関係者との歓迎レセプション】 【華道体験から日本人の精神性を学ぶ】

 このほか、本スタディーツアーでは、日本の戦後復興と経済発展、震災復興と防災・危機管理政策、産学官連携の取り組みや環境政策等について学ぶことも大きな目的のひとつであり、講義及び視察を通じて、日本の経験や取り組みがいかに産業の発展に結びついているかを検証し、未来に向けた持続可能な経済発展についても学びました。特に東日本大震災で大きな被害を受けた、宮城県名取市及び大崎市を訪問し、被災地の現状と復興に取り組む自治体と企業の連携が実践されている現場を視察したことで、修了生たちは日本の地方自治体の役割の重要性や民間企業の底力を感じていました。


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【明治大学危機管理研究センター
中邨章名誉教授(中央)の講義】
【JICA産学官連携推進について】

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【名取市の復興計画についての説明】 【有限会社千田清掃で大崎市バイオマスタウン
プロジェクトの説明を熱心に聞く参加者】

 最終日はこのスタディーツアーで得た知識や情報を、修了生がいかに母国での職務及び課題解決に活用できるかについてまとめ、プレゼンテーション及び意見交換を行いました。修了生からは防災対策の強化、企業の経営と社会的責任の関係強化、金融サービスにおける消費者保護強化等、各自の分野で訪日成果を発揮したいという意欲がつまったアクションプランが発表されました。その後、世界銀行の鈴木英明日本理事からも講評をいただき、スタディーツアーを締めくくりました。


 当センターでは世界銀行をはじめ、様々な国際機関と連携し、訪日プログラムを実施しております。今後も、このようなプログラムを通して、世界各国の課題解決に貢献していきます。


研修事業部国際研修課 小林 ひかり
飯塚 友佳里