JICEは、去る1月20日から2月4日にかけて、平成26年度JICA青年研修「イラク行政管理コース」を実施しました。
本研修は、イラクの将来のリーダーとして行政管理分野における課題解決を担う青年層の知識と意識の向上、人材開発を行うことを目標とし、日本の行政構造、中央・地方行政の役割、地方行政サービスの事例や課題等について学び、自国現状と比較しつつ、将来の行政管理に必要な知見を養うことを狙い、実施されたものです。
イラク総理府や計画省に勤める行政官8名が来日し、東京と札幌にて研修を行いました。
まず、東京では、日本の政治行政機構や公務員制度一般について学んだ他、国会議事堂や人事院公務員研修所への視察、日本語講習、駐日イラク大使への表敬訪問等を行いました。
日本語講習では、挨拶と簡単な自己紹介の表現を学びました。この講習は、日本に滞在するにあたり必要となる場面を想定して実施され、北海道での地方自治体への表敬訪問時に非常に役立ったと、研修員からは大変好評でした。また、日本について理解を深める上で、有益な講習となりました。
駐日イラク大使館では、アラー・アル=ハーシミー駐日イラク大使夫妻の心暖かい歓迎を受けました。サロンでの懇談後、研修員は、母国の昼食をとりながら大使館の方々と会話を楽しみました。大使は研修員に対して、人材育成はとても重要であり、研修員の果たす役割は大きいと語られました。
その後研修員は、北海道に移動し、地方行政の事例として、都道府県レベルでは北海道庁にて、市町村レベルでは札幌市役所と美唄市役所にてそれぞれ研修を行い、日本におけるそれぞれの規模での行政管理について知見を深めました。
講義の他、北海道庁職員との意見交換会や、資生館小学校、美唄市における宮島沼・雪冷却システム、水道局への視察等、多様かつ包括的なプログラムに研修員達は常に積極的に参加していました。
研修最終日に、研修員それぞれがJICA北海道にて、イラクに帰国後のアクションプランを発表しました。研修員からの進捗報告・結果報告が非常に楽しみです。
研修事業部 計画課
井上 野理子