中国シルクロードの拠点敦煌を有する甘粛省から、刘乃林団長以下都市農村建設局及び蘭州市熱供給公社から成る団員12名が、2016年1月20日(水)~29日(金)の予定で訪日し、大気環境改善に係る研修関連施設を訪問、視察しました。
当訪問団は、日本の円借款事業「甘粛省蘭州市大気環境整備事業」の一環であり第1回目は7年前の2010年1月に実施され、今回が第2回目となります。第1回目を実施した翌年2011年6月にJICEが現地を訪問した際にも、広範囲に亘り熱供給パイプの設置が進んでいました。
当事業は2008年開始後順調に進められ、今年度が当該借款事業の最終年度ともなります。したがって今回は本事業における最終的な訪問団となります。東京においては、環境省で「日本の大気汚染防止政策概論」の講義を受け、品川清掃工場でゴミ処理施設の排熱利用と排ガス対策の最先端技術を視察しました。また、国際協力機構(JICA)本部を表敬訪問して、これまでの本事業における日本の協力に感謝の意を表明しました。
その後札幌では、北海道環境局、札幌市環境局における大気汚染関連の講義、北海道熱供給公社と北海道地域暖房株式会社の熱供給システムなども視察しました。どの視察先においても団員皆熱心に質疑応答を繰り返し、機会あるごとに日本の援助のおかげで蘭州市に青空が戻ったとの感謝の言葉を頂戴しました。
今回10日間という短期間ではありましたが、滞在中、訪問団は中国での成果を報告しつつ、日本における熱供給システムを再確認し帰国されました。第1回目と2回目の研修を担当し、現地の視察も行った筆者としては、個人的にも感慨深いものがありました。
また、いつか彼らに再会できることを期待しています。再見!
北海道支所長 仮谷宣昭