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~アフリカの産業人材育成に向けて~ ジョモケニヤッタ農工大学で実用日本語集中コースを実施

アフリカ 日本語教育

JICEは、ジョモケニヤッタ農工大学(於ナイロビ)において、2016年7月4日から15日まで、日本に留学予定、または日本とのビジネスに関心のある学生や教職員などを対象として「日本の大学生活に必要な基礎日本語」(Basic Japanese for Daily and Campus Life)と「日本の職場で必要な基礎日本語」(Basic Japanese at Workplace)の2コースを実施しました。

コースの途中には参加者とケニア在住日本人を招いた交流会を実施。参加者は、授業で習った日本語を使って自己紹介をしたり、日本に関するクイズを楽しみながら対日理解を深めました。

交流会時の日本クイズで盛り上がる参加者

本コース実施にあたり、研修事業部より渡部裕子日本語主任と中澤奈央職員が出張し、岸本昌子常務理事、打田斉道研修事業部長も現地に赴き開閉講式出席及び、現地企業・関係機関への訪問を行いました。ケニアでは日本語コースに対する関心が高く応募者多数となり定員を超える人数が集まり、計44名の参加者が修了を迎えることができました。

閉講時には参加者が自分の出身地・特産品の紹介や、自分の趣味について日本語でスピーチを行いました。来賓のオディアンボ副学長も参加者の日本語スピーチに感化され、簡単な自己紹介を日本語で行い閉講式出席者から拍手を浴びるなど和やかな雰囲気の中、閉講式が執り行われました。

日本語授業風景
オディアンボ副学長による閉講時挨拶

所属先である学部や部署が異なり、また出身部族も異なる44名の参加者が日本語を通じて相互理解を深めると言う、まさに多民族国家ケニアならではの一面も垣間見ることができました。自己紹介の際に、出身地とお国自慢を入れたことが予期せぬ成果をもたらしたのです。

今後、この日本語コースをきっかけに、日本への留学や日系企業への就職に対して関心が高まることを期待しています。

現在、世界の経済人がアフリカに熱い視線を送っています。世界経済が低迷する中、アフリカ諸国の経済成長は目覚ましく、年率5%を超える国がエチオピア、ケニアなど14カ国に上ります(2015年IMF世銀統計)。また、人口増加率も高く、アフリカ全体で現在11億人の人口が2050年にはその倍の20億人に達すると推計されています。しかも、平均年齢21歳と若く、豊富な労働力の供給源、さらには有望な市場として、日本をはじめ世界の企業が注目する理由がここにあります。しかし、これらの若い労働力も、人材教育とビジネスの技能向上の機会がなければ、経済活動に十分に参加できません。日本とのビジネスにおいては、日本語の能力がビジネスを優位に導くことは間違いありません。

来月ナイロビで日本政府が開催する「第6回アフリカ開発会議」(TICADⅥ)でも、アフリカの産業人材の育成が主要テーマになっていることから、JICEでは引き続き支援をして参ります。
*本コースの実施については、同大学のホームページでも取り上げられました 。
 http://www.jkuat.ac.ke/students-staff-conclude-japanese-language-training/

研修事業部
中澤 奈央