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平成28年度 ベトナム共産党書記・人民委員会 訪日研修

アジア 国際研修

JICEはベトナム国プログラム165事務局(同国共産党及び行政府職員の海外派遣、海外研修に係る予算管理・執行機関)より依頼を受け、平成29年2月27日~3月11日の日程でベトナム共産党書記・人民委員会54名を対象に、地方行政の強化、持続可能な経済開発、人材育成をテーマとした研修を実施しました。

研修の前半1週間はベトナム ハイフォンにおいて、本邦から参加いただいた明治大学教授 中邨 章先生および政策研究大学院大学 准教授 渡邉 泰之先生から、「持続可能な成長戦略、日本の地方行政、人材育成とリーダーシップ、日本理解」をテーマに講義をしていただきました。講義には、訪日団54名のほかに、ベトナム国内各地の共産党員30名も参加し、約100名が参加しました。

ベトナムでの研修後は、訪日団として来日し、視察を中心とした1週間の研修を行い、研修初日は、日本の文化、慣習について理解を深めるため、横浜国立大学国際戦略推進機構にて准教授を務められたアンドラディ久美先生から、「日本の社会・文化概論」に関する講義をしていただきました。

地方行政の視察としては、国分寺市役所 政策部 政策経営課にご協力をいただき、国分寺市の活動、住民サービスについての講義を受けた後、再開発地域を見学しました。
また、鎌倉市役所訪問では、松尾崇市長による鎌倉市の活動、観光市としての経営管理についての講義を受け、同経営企画部行革推進課からは日本有数の観光市としての鎌倉市の概要、歴史についての講義を受けました。訪日団からは、市の財政状況や差別化の図り方について質問があり、地方行政の運営に関して関心の高さが伺えました。

国分寺市 講堂での講義の様子

また、持続可能な経済開発、保健衛生、環境保全の分野では、東京ガス新宿地域冷暖房センター、品川清掃工場、芝浦水再生センターを視察しました。
ベトナムは、ごみ処理に関して課題が残るため、研修生からは、品川区と同様に ごみ処理を行うためには、自身の都市ではどれほどの規模の焼却炉が必要か、また、その施設建設のランニングコスト、焼却炉の定期点検などについて、熱心に質疑応答が行われました。

芝浦水再生センターでの視察の様子
集合写真
(中央:ベトナム団長 ダン ティエン ウ氏、左隣:JICE山野幸子理事長)

今回のベトナム・日本研修での様々な講義、成功事例や対処事例の理解が、ベトナムの地方行政における政策課題への対応能力向上、政策を担う人材育成のため、今後に生かされることが期待されています。
JICEは今後もベトナムの関係機関との連携を維持・強化し、ベトナムの人材育成に協力いたします。

研修事業部 国際研修課
佐藤奈々絵