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モンゴル人材育成奨学計画(JDS)帰国生の活躍

アジア 留学生受入支援

モンゴル初となる海外投融資案件「ツェツィー風力発電事業」の融資契約に、JDS帰国留学生のウヤンガ・ダシゼヴェグ氏(Dr. D. Uyanga Dashzeveg)が中心メンバーとして参画しました。ウヤンガ氏はJDSモンゴル1期生として2002年に来日し、名古屋大学大学院法学研究科で修士号を取得、さらに国費留学生として同大学で博士号を取得後、現在はニューコム社の最高執行責任者(COO)として自然エネルギーやインフラへの投資事業等を通じ、モンゴルの開発に貢献しています。その活躍はモンゴル国内外で高く評価され、2015年には経済誌『フォーブス』で「モンゴルで最も活躍する30代」の1人に選出される等、国のリーダーとしての活躍が期待されるJDS帰国留学生の1人です。また、2015年12月に設立された「JDSモンゴル帰国留学生同窓会」でも、中心メンバーとして同窓会の立ち上げを主導し、JDS帰国留学生間のネットワーキングにも貢献しています。

今回ウヤンガ氏が参画した「ツェツィー風力発電事業」は、モンゴルで通信事業、不動産事業、エネルギー事業を行うニューコム社と日本のソフトバンクグループのSBエナジーによる合弁会社が、国際協力機構(JICA)と欧州復興開発銀行(EBRD)から協調融資を受け、モンゴル南部に風力発電所を建設、運営していくものです。同事業への期待は高く、世界有数のプロジェクトファイナンス専門誌「インフラストラクチャー・ジャーナル誌」(本社:英国)が主催する「IJGlobal Awards 2016」において、アジア・大洋州における風力発電事業部門での受賞を果たす等、石炭火力に依存するモンゴルで再生可能エネルギーを推進するモデルケースとして注目を集めています。

JDS事業は、開発途上国の若手行政官等の人材育成を目的に、1999年度に創設された日本政府の無償資金協力による留学生受入事業です。JICEは、相手国政府の実施代理機関として、事業設立当初から留学生の募集・選考、留学中の支援に携わり、3,000名以上の若手行政官等が日本の大学院で修士号を取得後、母国の社会経済開発に貢献する支援をしてきました。モンゴルでは2001年にJDS事業が開始され、2017年5月までの派遣留学生数は280名に上ります。ウヤンガ氏のように、帰国後モンゴルの開発および日本・モンゴル二国間関係の発展に貢献するJDS帰国留学生に今後も大きな期待が寄せられます。

留学生事業第一部
JDSモンゴルプロジェクト事務所
鹿野 詩織

IJGlobal Awards 2016の様子(右から3人目がウヤンガさん)