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第3回人事院初任者研修の実施協力

複合(地域) 留学生受入支援

JICEは、人事院から依頼を受け、各省庁の初任行政官の方々を対象とする研修の企画及び実施に協力しました。本研修は、初任行政官の方々が、東南アジア諸国の政府職員と、互いの国が抱える社会課題に関して意見交換を行うことで、相互理解を深めるとともに、我が国と東南アジア諸国との関係の在り方について気づきを得ることを目的としています。第3回目となる今回は、6月19日参加者と6月20日参加者の2日間合わせて107名の初任行政官と、人材育成奨学計画(JDS)で日本の大学院に在籍している東南アジア諸国からの留学生22名が参加しました。

本研修は3部で構成され、第1部では、自国での政府職員であるJDS留学生が、自国の所属組織が抱える課題や日本での研究内容についてプレゼンテーションを行いました。質疑応答では初任行政官の方々より、各国の実情や課題解決に対するJDS留学生の意見を問う具体的な質問が投げかけられるなど、参加者の本研修に対するモチベーションの高さが窺えました。また、「各国が抱える行政課題を知ることができ刺激になった」といった声が聞かれ、初任行政官の方々にとっては、各国の実情を直接聞く新鮮な機会となったことが窺えました。

第2部のワークショップでは、初任行政官と留学生が合同でグループを構成し、日本と東南アジア諸国が協力して取り組むべき課題(食糧安全保障、女性の活躍、自然災害、英語教育等)を選択し、それらを解決に導く政策について議論しました。参加者間で自国の課題を洗い出した上で各国と比較し、解決策について積極的に意見を出し合う姿が見られました。第3部では、各グループが、議論の結果を政策として提案しました。また発表後には、他グループから様々な質問やコメントが出され、大変活発な意見交換となりました。

本研修は、初任行政官の方々にとって、自国で実務経験を持つJDS留学生と英語で議論を行う機会となり、「各国の価値観の違いを知り、大変勉強になった」、「各国と日本がどのように協力して課題に取り組んでいくのかについて考えるよい機会になった」等、新たな知識や視点の習得に繋がったとの多くのコメントを頂きました。

また、参加したJDS留学生からは、「日本と東南アジア諸国の良好な関係構築に繋がる良い機会だった」、「意見交換の時間が短く感じられた。日本とASEAN諸国の課題についてもっと話し合いたかった」等のコメントがあり、JDS留学生にとっても、日本での研究や帰国後の業務に有効な情報やネットワークを得られたことが伺えました。

本研修が、日本と東南アジア諸国の相互理解を促し、将来の良好な協力関係構築に繋がるきっかけとなることを期待しています。

JICEは、今後も我が国とJDS対象国のネットワークづくりに貢献する機会を提供できるよう取り組んで参ります。

留学生事業第一部 留学生事業課

                                    寺下 知恵

国際大学大学院留学中のThazin Ooさん (ミャンマー 教育省)
明治大学専門職大学院留学中のTRAN Mai Khanh Ngocさん(ベトナム 外務省)
筑波大学大学院留学中のHOANG Duongさん(ベトナム 農業農村開発省)
議論するテーマを話し合う様子
ディスカッションの様子
報告会に向けて意見をまとめる様子
グローバル化に対応する英語教育に関する提案
食糧安全保障に関する提案
集合写真