事業ニュース

オリンピック・パラリンピック教育推進支援事業への協力

複合(地域) 複合(事業)

JICEは2017年度より、東京都教育委員会が東京都内の公立学校を対象に実施するオリンピック・パラリンピック教育推進支援事業に協力しています。同事業では、各学校と外部機関・団体が連携し、これからの時代を担う子供たちに必要とされる「ボランティアマインド」、「障害者理解」、「スポーツ志向」、「日本人のとしての自覚と誇り」及び「豊かな国際感覚」を育むための教育活動を展開しています。JICEは「日本人のとしての自覚と誇り」及び「豊かな国際感覚」の育成を視野に、各学校のご要望に応じた教育プログラムを提案しています。

JICEはこれまで5つの学校(小学校2校、中学校2校、高等学校1校)にて、ODAの一環で日本に留学しているアジア・アフリカの外国人学生を講師として派遣する「留学生による国際理解講座」を実施しました。

講師を務める留学生は全員が英語を話し、中には日本語を多少話せる留学生もいます。また、JICEの職員が英語から日本語へ通訳を行うことも可能なため、訪問校の児童・生徒の皆さんは留学生と日本語や英語でコミュニケーションを行うことができます。

なお、「留学生による国際理解講座」のほかにも、「JICE職員による国際理解講座」や「ASEAN加盟国を中心とした海外の高校生・大学生国際交流プログラム」を提供可能です。来る2020年東京五輪・パラリンピックを見据えた社会貢献の一環として、JICEは今後もオリンピック・パラリンピック教育推進支援事業に協力してまいります。

(各校での様子については、以下をご参照ください。)

<板橋区立成増ヶ丘小学校>

アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)の一環で、西アフリカに位置するギニアビサウから来日している2名の留学生(埼玉大学大学院に在籍中のMadilson Maria de Pina Arafa(マディソン マリア デ ピナ アラファ)さん、上智大学大学院に在籍中のDionco Sousa Cardoso(ジョンコ スサ カルドソ)さん)が、同小学校5年生を対象に講座を実施しました。カラフルな写真がスライドに映し出され、ギニアビサウの自然や文化、学校生活が紹介されました。その後、体育館に移動し、ギニアビサウの子どもたちの間で流行っているゲームを通じて小学生の皆さんとの交流を楽しみました。小学生の皆さんにとっても、学習対象国であるギニアビサウの出身者と直接顔を合わせるまたとない機会となりました。

ギニアビサウのゲームにトライ!(成増ヶ丘小学校)
小学校の皆さんから素敵なお手紙もいただきました!!(成増ヶ丘小学校)

<台東区立駒形中学校>

人材育成奨学計画(JDS)の一環でネパールから来日し立教大学大学院に在籍中のRam Basnet Bahadur(ラム バスネト バハドゥル)さんが、体育館で同中学校1年生全員を対象に講座を実施しました。駒形中学校では、ネパール人の生徒が昨年4 月より入学され、ネパールについて理解を深めるために、事前に調べ学習や発表会を重ねてきたそうです。そして迎えたラムさんによる講座では、ネパールのお祭りや食べ物、ラムさんの日本での生活体験などが語られ、「日本で一番驚いたことは?」「毎日カレーを食べるの?」「日本のカレーは好きですか?」などの質問が飛び交い、同中学校の生徒の皆さんのネパールに対する関心がいっそう高まったと思います。

ラムさんによる文化紹介に熱心に耳を傾ける中学生(駒形中学校)

<多摩市立貝取小学校>

人材育成奨学計画(JDS)の一環でミャンマーから来日し横浜国立大学大学院に在籍中のMyat Phyo Han(ミャッ ピョウ ハン)さんが、同小学校6年生を対象に講座を実施しました。貝取小学校でも、学習対象国であるミャンマーを身近に感じる機会となりました。民族衣装をまとい「タナカー」と呼ばれる伝統的化粧品を頬に塗ったミャッさんの姿が小学生の皆さんを引き付けました。ミャッさんが机に陳列したミャンマーにまつわるグッズを興味深そうに手に取る姿も印象的でした。

お互いに質問が尽きないミャッさんと小学生(貝取小学校)

<檜原村立檜原中学校>

人材育成奨学計画(JDS)の一環で来日中のネパールからの留学生、GHIMIRE Laxmi(ギミレ ラクシミ)さんとキルギスからの留学生、KULMANBETOV Narkiz(クルマンベトフ ナルキス)さん(両名とも明治大学専門職大学院・ガバナンス研究科に在籍中)が檜原中学校を訪れ、母国の文化や習慣、スポーツ等の紹介を行いました。檜原中学校は東京都の公立中学校ですが、全校生徒25人のとてもアットホームな雰囲気の学校です。世界一高い山として有名なエベレストがネパールにあることを学び、フエルト製のキルギス男性用帽子を手にするなど、楽しい交流のひと時となりました。檜原中学校からは、サプライズのお琴の演奏などもあり、心温まる歓迎に留学生も感動していました。

キルギスについて説明するナルキスさん。(檜原中学校)

<東京都立成瀬高等学校>

人材育成奨学計画(JDS)の一環で来日中のフィリピンからの留学生、ALAGON Marah Binguit(アラゴン マラ ビングイット)さんとネパールからの留学生、ARYAL Roshan(アルヤル ロサン)さん(両名とも国際基督教大学大学院・アーツ・サイエンス研究科)が、250人を超える同高等学校2年生を対象に母国の文化や教育制度、また日本との共通点と相違点について紹介を行いました。リゾート地としても知られるフィリピンですが、地方では道路が未整備で通学が困難な地域などがあり、また貧困により十分な食事がとれない人がいることなどを紹介すると、イメージとの違いに驚きの表情を見せる高校生も多数見受けられました。質疑応答の際は、通訳を通さず、英語で一生懸命質問する高校生の姿が見られ、留学生から日本で驚いたことや日本での体験を共有するなど、高校生にとっては国の文化の違いなどに気づく機会となったようです。

アルヤルさんのプレゼンテーションを聞く高校生(成瀬高等学校)

    総務部 総務課  

 櫻井 貴之