事業ニュース

「就労者に対する日本語教師初任者研修」フォローアップ研修を開催しました

複合(地域) 日本語教育

 JICEは、7月29日(土)に、2019年度から実施している文化庁委託事業(※注1)「就労者に対する日本語教師初任者研修」を修了した受講者を対象に、フォローアップ研修および説明会を実施いたしました。本研修は、研修修了後の実践について、研修の成果の検証を行うと共に、修了生のネットワークを構築し、お互いが現場で抱える悩み・関心の高いテーマについて継続的な学び合いの支援のためJICEが企画したものです。

 今年度は32名の修了生が、全国や海外より参加しました。前半に修了生の実践報告、後半は現地連絡調整員(※注2)の講話とワークショップを行いました。

フォローアップ研修
本研修主担当 平山智之JICE主任日本語講師

研修内容

 修了生の実践報告では3名に発表いただきました。特定技能介護人材対象の介護記録を書くことを目標とした日本語講習、日本語学習経験のない留学生対象の日本語指導、製造分野技能実習生対象の技能試験対策・入国待機中の日本語指導、技能実習生の日本語指導員としての活動、及び企業向け日本語講習のコースデザインなどを、工夫点、反省点、研修で学んだことをどう生かしているかを交えながら、地方それぞれのニーズに即し、地域の様々なネットワークを活用した実践についてお話しいただきました。

 後半は外国人就労・定着支援事業の現地連絡調整員として島根県出雲市で活躍されている、ブラジル出身の肱岡春香さんをお招きし、地域に定住している外国人のキャリアについて、ご講話いただきました。そのお話をもとに参加者はグループワークを行い、活発な意見交換がなされました。

参加者の声

参加者からは、
「いろんな環境で活躍される先生方の発表は、自分自身の現在と将来を考えるいい機会だった。グループワークでも意見の共有ができて視野がひろがった。」
「分析する力、提言できる力をつけるために、目先の問題を考え、角度を変え、俯瞰できるようにならなければと思った。」
「個々の授業だけでなくあらためてその先に目を向けて、どんな日本語、どのレベルの日本語が学習者にとって必要なのかを考えながら指導に当たることの大切さを思い出させてもらった。」
「1人で考えることが多いため、同業者の方とお話をしたり一緒に考えていただけたりする機会となり、大変ありがたい。」
などのコメントが寄せられ、参加者自身の実践を振り返ったり、これからの取り組みを考えたり、また同じ日本語教師としてつながる大切さを感じられたようでした。

 本研修を機に、日本語教師間のネットワークが拡充・強化されることを期待しています。JICEは、研修プログラムの効果が継続的なものとなるようフォローアップに積極的に取り組んで参ります。


(※注1)
2019年度 2019年度日本語教育人材養成・研修カリキュラム事業
2020年度 令和2年度日本語教育人材の研修プログラム普及事業
2021年度 令和3年度日本語教育人材の研修プログラム普及事業
2022年度 令和4年度日本語教育人材の研修プログラム普及事業

(※注2)
現地連絡調整員は、厚生労働省から受託している外国人就労・定着支援研修において、広報や受講者対応等、研修運営サポート業務を担当している。

多文化共生事業部 企画管理課
田中 弥生