2025年6月2日から8月6日にかけて、アラブ首長国連邦(UAE)の大学生向けインターンシップ・プログラムを実施しました。
JICEは経済産業省の支援を受けて、UAEを対象に教育分野や人材育成に関する様々なプログラムを実施しています。その一環として、2012年度に開始したインターンシップ・プログラムは、UAEの大学や日本企業・機関の協力を得ながら継続して実施され、今年で14年目を迎えました。
本プログラムは、UAE学生に日本企業でのインターンシップの機会を提供することで、UAEの高等教育の充実化に寄与するとともに、同国で推進されている労働力の自国民化政策に貢献するプログラムです。さらに、日本の企業文化を理解し、実践的な知識と能力を身につけたUAE学生を育成することで日本企業の中東事業展開に対するニーズにも対応することを目的としています。
2023年度以降は参加する学生や受入企業のニーズに合わせて、プログラムの実施場所を①日本のみ、②UAEのみ、③日本とUAEのハイブリッド、のと3パターンの選択肢を準備しています。2025年度は、新規参加4か所を含む10の受入企業・機関の協力を得ながら、高等技術大学(HCT)及びカリファ科学技術大学(KU)から21名のUAE学生が選抜されました。
6月1日、日本で実施されるインターンシップに参加するUAE学生17名が来日し、翌日から日本語講座や日本文化・ビジネスマナー講義など1週間の基礎研修を受講しました。
基礎研修を終えた学生たちは、それぞれ日本各地の研修先に移動し、その後8週間で座学・討論・視察等の実践的なカリキュラムを通して専門分野の課題に取り組み、互いに切磋琢磨する時間を過ごしました。
8月6日、東京にて開催した最終報告会では、経済産業省、外務省、(一財)中東協力センター、研修先関係者の方々のご出席の下、日本でのインターンシップに参加したUAE学生17名による成果報告が行われ、出席者との質疑応答では、日本滞在中の経験についての感想も共有されました。
「企業研修では、技術だけでなく、人間としても多くを学ばせて頂き、とても感謝しています。」(機械工学専攻)
「研修機関所在地の福島には山や深い森と川がたくさんあり、UAEとの違いに驚きました。また、小中一貫校生徒との交流会にも参加し、互いの相違点について話し合う機会に恵まれました。是非、福島を再訪したいです。」(化学工学専攻)
8月14日、アブダビでの最終報告会には、在UAE日本大使館の中川周公使ご臨席の下、現地大学や受入日系企業関係者の方々にご出席いただき、UAEでのインターンシップに参加した学生4名及び日本・UAEのハイブリッド型インターンに参加した学生2名が報告を行いました。中川公使は日本とUAEとの教育・人材育成分野での協力強化の重要性について述べ、UAE学生を激励されました。
最後に、ご指導・ご協力頂きました受入企業・機関の皆様、その他関係者の皆様に心から感謝申し上げます。来年度以降も本プログラムが日本・UAE双方にとって、更に実りあるものとなるよう、一層努力して参ります。
受入企業・機関(アルファベット順)
以上