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インドネシア行政官を対象とした「行政改革のための人事評価システム及びイノベーション(制度・技術)」研修プログラムの実施

アジア 国際研修

 JICEは2015年8月23日から9月5日まで、インドネシア国家開発企画庁(以下、「BAPPENAS」と表記)行政官能力開発・教育・訓練センターのWiky Witarni研修計画・実施部門長を団長とする22名の行政官を対象とした訪日研修プログラムを実施しました。本プログラムは、BAPPENASが世界銀行からの借款の活用により2012年から実施している行政官人材育成事業であるSPIRIT(Scholarship Program for Strengthening the Reforming Institution)事業の一環として実施されました。参加者の多くが人事・人材育成を担当する中間管理職層で、SPIRIT事業の対象機関に含まれる10省庁(行政改革省、国家行政院、国家公務員庁、内務省、外務省、財務省、財政開発監督庁、会計検査院、投資調整委員会及びBAPPENAS)から選抜されました。

 人事評価システムに関しては、日本の国家公務員制度改革の一環として導入された人事評価制度を中心に、地方自治体や民間企業における事例もカバーしました。カリキュラム策定段階から国の制度に関しては人事院及び(一財)公務人材開発協会より、地方自治体と民間企業に関しては一橋大学辻琢也副学長より指導を仰ぎ、人事評価・面談シミュレーション等の実習を交えた研修を行いました。

面談シミュレーションの様子
(評価者、被評価者、観察者に分かれてロールプレイ)

行政改革とイノベーションの関連では、事例研究を交えつつ、住民参加、事業仕分け、行政サービスの見える化、行政サービスにおけるビッグデータの活用に関する研修を実施しました。

京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区(川崎市)の視察

 人事評価とイノベーションは、それ自体は独立したテーマであり、参加者の職責や専門性に応じ、関心の高さに多少の違いは見られました。ただし、いずれのテーマも公務員のモチベーション向上と人材育成、ひいては行政サービスの向上という観点では相互の関連性が高いと言えます。インドネシアでは国全体として行政改革ならびに行政官の資質向上が急務となっており、今回の研修の成果が実際の業務に活かされることが期待されます。

閉講式後の集合写真
(着席者:左から)Mr. Rahmadi Murwanto(財務省)、Mr. Dian Andy Permana(内務省)、(一財)公務人材開発協会菊池敦子代表理事、Ms. Wiky訪日団団長、JICE山野幸子理事長、Mr. Dedi Latip(投資調整委員会)

JICEはこれまでに過去2回、SPIRIT事業の訪日研修プログラムの実績があります(①2012年9月:9省庁の人事・人材育成担当者計21名対象、②2013年4月:外務省外交官計10名対象)。
 JICEは今後もBAPPENASを初めとするインドネシア関係機関との連携を維持・強化し、インドネシアの人材育成に貢献いたします。

研修事業部 海外協力課
櫻井 貴之 記