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第2回人事院初任者研修の実施協力

アジア 留学生受入支援

JICEは、人事院から依頼を受け、各省庁の初任行政官の方々を対象とする研修の実施に協力しました。本研修は、初任行政官の方々が、東南アジア諸国の政府職員とグループディスカッションを通して、我が国と東南アジア諸国との関係の在り方について気づきを得ることを目的として、昨年よりJICEが企画及び実施に協力しています。第2回目となる今回は、6月20日と21日の二日間合わせて101名の初任行政官と、人材育成奨学計画(JDS)の留学生18名が参加しました。

本研修は三部で構成されており、第一部では、東南アジア諸国の政府職員という実務者の立場であるJDS留学生から直接自国の政策課題についての発表があり、初任行政官の方々にとって、非常に新鮮な経験であったと推察します。

名古屋大学留学中のNGUYEN Phuong Anhさん(ベトナム 司法省)
早稲田大学留学中のHIM Sothearothさん(カンボジア 外務国際協力省)
立命館アジア太平洋大学留学中のKHOUTLAVONG Khamlaさん(ラオス 外務省)

第二部の政策立案ワークショップでは、初任行政官が7~8名のグループを構成し、その中にJDS留学生が入り込むかたちで、日本と東南アジア諸国が共通して取り組むべき課題とそれに対応する政策について議論しました。初任行政官の政策提案に対して、JDS留学生がその実現可能性について意見するなど、実践的かつ具体的に議論を進められました。第三部の報告会では、各グループの発表者から出された具体的な提案に対して、他グループのJDS留学生から鋭い質問が出るなど、議論が白熱する場面もありました。

アイスブレーク優勝グループ(5班)
フィリピン並びにミャンマーのインフラ整備について、意見を交わす(7班)
報告会に向け、グループで協力して意見をまとめる(2班)
食糧安全問題についての提案(12班)
女性活躍についての提案(1班)
初任行政官の発表に対して質問するCORPUZ Jonah Lyn Degayoさん(フィリピン農政省)

本研修は、初任行政官の方々にとって、既に実務経験を持つJDS留学生と英語で対等に議論するという、非常にチャレンジングなプログラムでした。しかしながら、本研修を通して、東南アジア各国の抱える課題についての新たな視点を持てたこと、あるいは既存の知識を深められたこと、そして英語力及びコミュニケーション能力向上の必要性など、実にさまざまな気づきが得られたとのご意見をいただきました。こうして得られた知識やネットワークそしてモチベーションを今後の業務に活かしてもらえることを期待しています。
JICEは、JDS事業において1999年よりのべ13か国の行政官に対して、留学を通じた人材育成支援を続けてきました。これまで培ってきたネットワークを活用し、我が国の行政官、地域社会及び民間企業の方々が、各国の潜在的リーダー達との関係を構築する一助となるよう今後も取り組んで参ります。

集合写真(2日目)

留学生事業第一部 留学生事業課
田中 彩菜