JICEは、2019年9月8日～9月14日までの7日間、Nguyen Phuoc Thoベトナム首相府法制局長（訪日団団長）ら11名を対象に、地方分権をテーマとした「ベトナム首相府訪日研修」を実施しました。本研修は、ドイツ国際協力公社(GIZ)が2013年より実施している「法律分野におけるベトナム首相府支援事業」の一環として行われました。

　研修では、総務省や政策研究大学院大学の教授による、日本における地方分権化のプロセスと地方自治の仕組みについての講義を行うとともに、川崎市及び横須賀市では、地方自治体における地方分権改革として具体的な取組を紹介しました。参加者からは、国への働きかけの方法や地方自治体がもつ権限、権限拡大の方向性などについて多くの質問があがりました。また、JICEの理事も務める尾西雅博大正大学地域構想研究所教授からは、公務員人事制度に関する講義の中で、国と地方の人事交流などについての説明がなされ、ベトナムの実情なども交えた活発な意見交換が行われました。

　日本とベトナムにおける行政区分等の相違から、参加者にとっては理解が難しい内容もあったようですが、参加者同士で補い合いながら少しずつ理解を深めている様子が伺えました。帰国後は、地方分権に向け法律の改正に臨みたいと強くコメントしている姿が印象的でした。

　本研修が、ベトナムの地方分権化の推進につながること、またこれを機に日本とベトナムの協力関係が一層深まることを願いつつ、JICEがベトナムの人材育成に寄与できるよう引き続き尽力してまいります。

研修事業部国際研修課　加藤未波　記