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インド鉄道省・高速鉄道公社職員研修を実施しました。

アジア 国際研修

 JICEは、独立行政法人国際協力機構(JICA)との業務委託契約に基づき、2017年2月から2020年1月までの3年間にわたり、日本コンサルタンツ株式会社(JIC)と共同企業体を組み、インド鉄道省及び高速鉄道公社の若手幹部候補職員の延べ877名に対し、計24回の訪日研修を実施しました。

 2015年12月の日印首脳会談において、インド西部のマハーラーシュトラ州の州都のムンバイと工業が盛んなグジャラート州の最大都市アーメダバード間の高速鉄道に日本の新幹線方式が導入されることが基本合意されました。これを受け、鉄道分野における日印協力の強化の一環として人材育成への協力が求められ、2017年2月より日本の鉄道システムへの理解を深めることを目的とした訪日研修が開始されました。当初は2018年までの1年間で計300名のインド鉄道省若手職員を対象に実施される計画でしたが、1年目の研修がインド側より高い評価を得たため、協力期間が2020年までに延長され、2年目からはインド鉄道省に加えて、高速鉄道の運行管理を担う高速鉄道公社(NHSRCL)職員も対象に含まれました。

 訪日研修は2週間で、日本の鉄道政策、鉄道システム、運行管理や安全対策、駅事業及び周辺開発、貨物駅、教育/研修施設など多岐にわたる講義や視察で構成されました。JICEは、コーディネーター(通訳・研修ファシリテーター)を配置し、教材翻訳、旅行手配をはじめとする研修受け入れに関する諸手配と研修行程の総合調整を担当し、来日中は研修計画に沿って安全かつ効果的な運営管理を行いました。

 研修終了時には参加者から、「インドでも日本のように整った研修施設で、現場第一線で働く職員に対してきめ細かな実務研修を実施したい」「インドにも時間厳守や安全に関する新しいガイドラインを作成したい」といった感想が多く寄せられました。

 JICEは、本研修での経験が今後のインドの高速鉄道の発展に生かされ、日印両国の協力関係がなお一層強化されることを期待し、その一翼を担う人材育成の分野での寄与に尽力いたします。

研修事業部国際研修課 藤川 真由美 記

開講式後の記念撮影
安全管理・対策に関する講義を受講
鉄道研修施設(土木系)の視察
バスタ新宿(交通結節点)の視察
新幹線乗換口・周辺開発の視察
専門家(電気系)との意見交換会
鉄道博物館にて
報告会にて発表を行う研修参加者(写真右端)