事業ニュース

JDS中間研修を実施しました

アジア 留学生受入支援

JICE は2021年3月4日から12日の7日間に亘り、2019年に人材育成奨学計画(以下、JDS)で来日した16か国、336名の留学生を対象に、中間研修を実施しました。今年で5回目となる今回は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令中のため、初めてオンラインでの開催となりました。

本研修は、JDS留学生が修士課程修了まで残り約半年となった時期に、自身のミッションについて振り返り、JDS留学生としてのアイデンティティを醸成するとともに、帰国後にそれぞれの国の開発課題解決と発展に資するリーダーになっていくための意識付けを行う目的のもと行われました。講義、ワークショップおよびグループワークを通して、国の代表者としてJDS留学生同士が意見を共有し新たな気づきを得る場となりました。

元内閣官房参与・慶應義塾大学大学院の谷口智彦教授による「日本の課題と可能性」と題した特別講演では、地政学や人口問題の切り口から日本が直面する課題と可能性を解説するとともに、JDS留学生が母国の状況について振り返り、行政官として、帰国後に日本留学で得た知識、経験を生かして、どのように貢献するのかを考えるきっかけとなりました。

また、グロービス経営大学院の中村知哉教授からは、利益だけを追求する経営者ではなくグローバルな視点を持った持続可能なコミュニティ型の経営を実践する経営者を事例にした日本型のリーダーについて学び、帰国後の自身のリーダー像について考える機会となりました。

グループワークでは、それぞれの研究分野に関連したSDGsを課題としたアクションプランの作成や、帰国後に国のリーダーとして団結できるよう、国ごとのアクションプランおよび同窓会活動の計画を作成しました。JICEからはネットワーク活用方法や各国の同窓会活動を紹介するとともに、各国の参加者同士が多くのアイデアに触れることで、実際に取り組んでみたいと思う活動案の形成を行い、刺激を得ることができました。

JDS留学生からは、「改めて自身が日本に留学した意義を再確認した」「学生として生活を送るだけでなく、自国の発展のためにミッションを背負ったリーダーとしてここにいることを再認識した」「新型コロナウイルスの影響もあり孤独な生活になりがちであったが、同じ目的に向かっている仲間がいることがわかり、自分ひとりでないと思えた」「このような素晴らしい機会に恵まれた留学生生活を、帰国後に確実に生かすことが我々の今後のミッションである」などといった意見が聞かれました。

JICEは、今後もJDS留学生の学業や日常生活のサポートだけでなく、リーダー育成及び各国行政官とのネットワークづくりに役立つような研修を企画・運営し、帰国後の留学生の活躍を後押しできるよう取り組んでまいります。

留学生事業第一部
中ノ上 聡子

同じ専門分野同士のJDS留学生グループによる
アクションプランの発表。
中村知哉教授によるワークショップで
意見を述べるJDS留学生。
谷口智彦教授と意見を交わすJDS留学生。
最終日、研修を振り返り、帰国後の期待を分かちあうJDS留学生。