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JDSタジキスタン卒業生の大臣就任を記念するウェビナーを開催しました

アジア 留学生受入支援

JICEは、人材育成奨学計画(以下、JDS)を通じて日本の大学院で修士号を取得したシーリーン・アマンゾーダ氏(Ms. Shirin Amonzoda)がタジキスタン労働移民雇用大臣(Minister of Labor, Migration and Employment of Population of Tajikistan)に就任したことを記念し、2021年6月4日、ウェビナー"Lessons from Japan: Shape your world, Share knowledge and Experience, for our world, for the future" を開催しました。アマンゾーダ氏は、タジキスタンのJDS卒業生のなかで最初の大臣であり、JDS対象国全体でも初めての女性大臣となりました。

タジキスタンJDS6期生として2014年に来日したアマンゾーダ大臣は、立命館アジア太平洋大学(以下、APU)アジア太平洋研究科で学び、「タジキスタンにおける観光公共計画および政策と国家経済への影響」と題した修士論文で2016年に修士号を取得しました。帰国後は、観光開発委員会の副議長及び議長を歴任し、タジキスタンの観光業の発展に貢献した功績を認められ、2020年11月に労働移民雇用大臣に任命されました。

今回のウェビナーには、JDS現役生、JDS同窓生、APUの教員や学生ら120名以上が参加しました。ウェビナーの冒頭にAPUアジア太平洋研究科の佐藤洋一郎研究科長は、アマンゾーダ大臣に祝辞を述べるとともに、APUの教育において、現役の行政官であるJDS留学生の存在が大変貴重であるとお話されました。

基調講演でアマンゾーダ大臣は、観光業で後れを取る国は、政府が観光業の発展の主導権を握る必要があると説き、観光を促進する政策を打ち立てることは雇用創出に繋がるだけでなく、雇用創出が海外への労働力流出を防ぎ、ひいては観光業が国の経済発展の原動力になると述べられました。

また、アマンゾーダ大臣は、日本で学んだ他国の経験や政策などが自身の知見を広げ、その知見を基にタジキスタンの国情に合った政策を策定することが出来ていると述べられました。アマンゾーダ大臣は、帰国後、観光開発委員会議長として、観光政策を立案する立場となり、Eビザシステムによるビザ取得手続きの簡素化や、これまで手が付けられていなかった地方および山岳地帯の観光業の発展に注力し、政府主導による観光促進政策の舵を取り、国外からの観光客を増やすことに尽力してきた経験等を説明されました。

その後、アマンゾーダ大臣は、当時指導を受けたクーパー・マルコム名誉教授と自身の指導教員であった塚田俊三教授と対談を行いました。クーパー名誉教授は、海外からのインバウンドだけではなく、タジキスタン人の国内観光の需要を高めることの重要性を説かれ、塚田教授は、コロナ禍で大きく変化した世界の状況に対応できるよう、観光や移民対策の方向性をいち早く示すようにとアドバイスをされていました。

JDSは1999年の事業開始から22年を迎え、大臣、副大臣、長官、局長など、各国政府の要職に就くリーダーを輩出しています。JICEは現役JDS留学生のサポートを通して、将来の各国リーダーたちの育成を支援するとともに、同窓生の活躍をより広く共有できる機会を提供できるよう努めてまいります。

留学生事業第一部
JDS フォローアップチーム

基調講演を行うアマンゾーダ大臣
対談を行うアマンゾーダ大臣・クーパー名誉教授・塚田教授