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松江市での青少年スピーチコンテストを後援

9月25日、島根県松江市・松江市教育委員会・八雲会が主催する「第56回ヘルンをたたえる青少年スピーチコンテスト」が松江市内で開催され、JICEは後援団体として審査員を派遣し、JICE理事長賞の授与をおこないました。コンテストは、小中学生を対象としたジュニアの部と高校生を対象としたシニアの部に分かれて開催され、全国から28校・41人が参加しました。コロナ禍で過去2年間は中止となり、3年ぶりの開催となりました。

参加者は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン、ヘルン)の代表的な作品を英語で暗唱し、発音・イントネーション・リズムなどの英語の腕前や八雲の作品の世界を理解し、聴衆に伝える表現力を競いました。JICEから2名が審査にあたり、ジュニアの部は、島根大学教育学部附属義務教育学校前期課程5年の丹下友梨華さん、シニアの部は鳥取県立米子東高等学校2年の岡部真凛さんがJICE理事長賞に選ばれたほか、松江市長賞・アイルランド大使賞など計8つの賞の受賞者が選出されました。

本スピーチコンテストは、八雲が文筆を通じて日本や松江を世界に紹介した功績をたたえ、作品を英語で暗唱することによって、青少年の英語の表現力向上に資し、国際理解と親善に貢献することを目的に、年1回、八雲の命日9月26日前後に松江で開催されています。1966年に始まり、JICEは2005年の第39回より後援しています。明治時代に英語教師として日本の国造りを支援した文豪八雲の作品「A Living God」(村人たちを津波から救い、神として祀られた浜口五兵衛という人物の活躍を描いたもの)はカンボジアの中学校の教科書に掲載されたことがあります。今なお、作品を通じて日本の文化や心を世界に伝える八雲と、日本での滞在と仕事を支えた夫人の節子さんは、私たちJICEの先駆けともいえる存在であり、国際協力の大先輩にあたります。

総務部総務・企画課
吉岡 孝二郎

表彰式には、上定昭仁・松江市長のほか、デミアン・コール駐日アイルランド大使も参加した(松江テルサにて)